特別区の区割り

「区割り」って何?
特別区の区割り

2020.05.01
  • 大阪都構想では、政令市の大阪市は廃止され、四つの特別区に分割されます。
  • 自分が居住する自治体の役所に行くのに、別の自治体を通る必要も。
  • 交通網の整備など、形成された都市を分割しようとすれば、課題が出るのは当然。
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大阪都構想では「区割り」という言葉をよく耳にします。現在、大阪市内には24の行政区があるので、大阪都構想の「区割り」は行政区を変更するものだと誤解されやすいのですが、全く別物です。大阪都構想では、政令指定都市の大阪市は廃止され、4つの特別区に分割されます。「区割り」とは、大阪市を四つに割る「線引き」なのです。

大阪市は四つに分かれてどうなる?

大阪市を廃止して設置する4つの特別区は、それぞれ別の基礎自治体です。一つ例を挙げると、大阪都構想の制度設計案では、大阪市の行政区のうち淀川区、西淀川区、東淀川区、此花区、港区は「淀川区」という名前の特別区になります。行政区に沿って大阪市分割の線引きをしたのであって、5行政区が一つの大きな行政区になるのではありません。新しい淀川・特別区は、大阪市の4分の1ぐらいの独立した自治体です。

淀川・特別区のほか、北・特別区、中央・特別区、天王寺・特別区ができます。各特別区にターミナル駅があるよう分割されています。しかしながら、その位置は様々です。中央・特別区のターミナル駅は南海・難波駅ですが、特別区内では北東の端になります。天王寺・特別区ではJR天王寺駅は北西の端です。特別区本庁舎もそれぞれ同様に端っこにあるという構造です。

淀川・特別区では現在の淀川区役所が特別区本庁舎となります。今の行政区の港区の住民は、電車で本庁舎に行こうとすると、いったん北・特別区や中央・特別区に出て、また淀川・特別区に戻ることになります。自分が居住する自治体の役所に行くのに、別の自治体を通る必要があります。

大阪都構想の区割りの変遷

5年前の2015年5月17日、大阪都構想は大阪市民の住民投票にかけられ、否決されました。その時の「区割り」は、大阪市を廃止して5つの特別区に分割する案でした。今の西淀川区、此花区、港区、大正区と住之江区の西半分は「湾岸区」という特別区にまとめられ、特別区内での移動が不便なうえに、巨大地震で津波が来たら全滅する特別区ではないのかと評判が悪かったのです。

そこで今回の制度設計案では4分割にしたのですが、それでもやはり問題が多いのです。交通網の整備をはじめ、大阪市として一つにまとまって都市が形成されてきたものを分割しようとしているので、課題は当然でてきます。

特に大阪市のような大都会は都市機能が高度に集積して張り巡らされており、分割や解体は容易ではないのです。高層ビルを四つに切ってもビルを破壊するだけであって、四つの低層ビルにはできません。この課題に対し真の処方箋が提示できるかが今、問われています。

特別区

特別区は、市町村と同様に、住民にもっとも近い基礎的な自治体です。区長及び区議会は、選挙によって選びます。条例の制定や、税の徴収行います。大阪市(政令指定都市)にも24の「区」がありますが、自治体である特別区とは異なり、住民の利便性のために設けられた行政区画(行政区)です。

基礎自治体

国の行政区画の中で最小の単位で、首長や地方議会などの自治制度があるものを指します。日本では、市町村と特別区(東京23区)がこれにあたります。