二重行政の解消はなぜ必要?大阪都構想によるメリットは?実際はデメリットが多い?わかりやすく解説

2020.09.30
  • 二重行政は非効率的なことが多い点で解消が必要
  • 大阪都構想はメリットが明確でないことが問題
  • 大阪都構想は費用などメリットが多く存在する
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最近ニュースで二重行政という言葉をよく耳にしますが、二重行政とはどのようなことなのでしょうか。

また二重行政の解消はなぜ必要なのかを含め詳しく説明していきます。 

大阪都構想によるメリットやデメリットもわかりやすく解説します。 

二重行政とは 

まずは二重行政とはどのようなことなのか詳しく説明していきます。

大阪市は現在大阪府と大阪市の二重行政となっているのですが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。 

自治体の仕組み 

自治体には以下の2種類があります。 

・基礎自治体 

・広域自治体 

基礎自治体とは市区町村が対象となり、広域自治体は都道府県が対象となります。つまり広域自治体とは市民以外も利用できるサービスを多く含むのです。

通常はどちらかなのですが、大阪市は人口100万人を超える政令指定都市であることから、基礎自治体と広域自治体の2種類の両方の権限があることになります。 

二重行政のデメリット 

二重行政というと色々なことができるように思います。しかし二重行政にもデメリットがあります。 

府と市の仕事がかぶる 

大阪市がもつ広域自治体としての役割の多くは、大阪府にもあることになります

つまり両方が同じ仕事をしており、効率が悪くなる場合がでてきます。 

二重行政を解消すること 

それでは二重行政を解消する理由はどのようなことがあるのでしょうか。 大阪都構想推進派が考える、その理由を探ります。

仕事や予算の効率化を図る 

大阪は大阪府と大阪市の両方に権力があり、仕事がかぶってしまい効率の悪い仕事の進め方をしています。

下記のような地形の問題もあり大阪はこの問題で深刻な状況となっています。 

府と市の両方が同じ仕事をして効率を悪くすることで予算がたりず、住民に対して十分なサービスができない可能性があります。

これが都構想推進派の考えですが、その前に連携を図れば済む話であり、現に大阪維新の会所属の吉村府知事と松井市長が連携して行政のムダ改善に取り組んでおり、効率化そのものは現時点で進んでいると思われます。 

府と市のぶつかりあいをふせぐ 

これまで大阪では府と市のぶつかりあいをつづけてきました。ワールドトレードセンタービルとりんくうゲートタワービルの高さを張り合うなど多くのことがニュースでもとりあげられました。

問題なのはこのいずれも税金を使っているということです。 

またこの二つのビル、ワールドトレードセンタービルとりんくうゲートタワービルはいずれも破たんしてしまい税金は無駄になってしまったのです。 

このように大阪府と大阪市の意地の張り合いにより、無駄な税金が使われていたのです。 

これも「二重行政のムダの1つ」とされていますが、このケースもまた連携しようとしなかった大阪府と大阪市のスタンスに問題があります。

そして、ゼネコンと手を組み、自分たちで開発をしようとしたことも1つの問題点です。ビジョンもないまま突き進み、お互いが政策の失敗を犯したために起きたことです。

都構想を実現させれば二度と起きない話ではなく、連携をするかしないか、話し合いを常にするかしないかのレベルで成立する話です。

交通の不便さ(インフラ) 

大阪は交通の不便さがあげられますが、これに関しても大阪府と大阪市の連携が図られていなかったことが要因です。

電車や高速など大阪府と大阪市がぶつかることによって、整備ができていない状況です。長期的なビジョンがないことも、場当たり的な対応につながっている可能性があります。

一方、東京都内は早々に都構想をすることにより意見がぶつかることもなく、整備が進んでいます。 

大阪都構想とは 

それでは大阪都構想となどのようなことをいうのでしょうか。

詳しく説明していきます。 

大阪都構想の概要 

二重行政問題を解決するために浮上したのが大阪都構想であると、語られることがあります。

大阪市を廃止して、代わりに特別区を4つ設置する、それが大阪都構想です。

なぜ大阪だけなのか 

政令指定都市は大阪だけではありません。

たとえば仙台市やさいたま市もそうです。

それではなぜ大阪市だけが都構想が必要となったのでしょうか。 

実は他の政令都市でも二重行政は問題になっています。

しかし大阪府は香川県の次に狭い面積であり、大阪府の真ん中に大阪市があることから二重行政が問題化しやすい地形となっているのです。 

大阪都構想によるメリットを検証

まずは都構想推進派が考える大阪都構想によるメリットをご紹介し、検証します。

吉村知事と松井市長はいずれも大阪都構想にこだわりを見せる発言をつづけています。

それには以下のような理由があります。 

元大阪市長の橋下徹氏の提案 

もともと大阪の都構想は元大阪市長の橋下徹氏の提案から始まりました。

2015年にも住民投票が実施されたのですが否決され、橋下市は政界引退となりました。

しかし吉村知事と松井市長は橋下元大阪市長の意志を受け継いでいるのです。 

明確なメリットを提示していない 

実は吉村知事と松井市長は「都構想は府民や市民のためである」といいながら、実際にはメリットを明確にはしていません

9月4日付けの読売新聞の社説でもこの明確にしない点を批判した記事を掲載しています。 

二重行政は解消されていると松井市長が発言し、二重行政の解消効果も限定的、都構想の経済効果も、計算で使われたデータに間違いがいくつも見つかるなど、具体的なメリットを示せない可能性が考えられます。

大阪都構想によるデメリット 

実際には大阪都構想はデメリットが多いのです。

ここでは大阪都構想のデメリットをあげていきます。 

コストがかかる 

大阪都構想が実現されると、これまで大阪市役所が一つだったのですがこれが5つの特別区に増えることになります。

つまりそれぞれ建物や窓口、人件費などのコストが5倍、もしくはそれ以上必要ということになります。 

もちろんこのコストは全て税金から賄うことになり、コロナ関連などさまざまな状況で苦しい住民の生活がより厳しいことになるのです。 

多重構造になる 

大阪都構想は大阪市、大阪府による二重行政の解消が大きな目的とされています。

しかし大阪都構想が実現されると実は二重どころではなくなってしまう可能性があります。

また大阪市役所に変わる一部事務組合を作るという話もあり、さらに話がややこしいことになってしまいます。 

二重行政の解決にならない 

大阪都構想は二重行政の解決にはなりません。

それどころか特別区の区長が4人と増えるためより二重行政が深刻化する可能性があります。 

大阪の対立 

ただでさえも現在大阪は大阪市と大阪府で意見が対立することが多いのですが、特別区の区長4人が意見を主張することにより、さらに利害対立が生まれることが予想されます。

この内容を大阪府知事が入って議論することになるのですが、これまで大阪市長を中心に一体化していたことと知事が入ることでよりぶつかりあいができるのです。 

特別区の問題 

特別区にはいかのような問題が発生します。

費用がかかること、意見がまとめきれない、公務員が増えるなど効率が悪くなることが増えるのです。 

費用と意見がまとまらない 

特別区の問題は、設立に初期費用がかかること、また各区長の意見がぶつかることから二重行政の解消をできるのか不明な点があげられます。

またこれまでのような地域密着のサービスが減ることにより、住民サービスが低下するのではないかと心配されています。 

公務員が増える 

もともと大阪市でやっている内容を4つの特別区で行うことか公務員の増加が必要になります。 

大阪市の予算が減る 

大阪市から4つの特別区になることで実は予算が減ります。大阪市の予算である8,600億円のうち4つの特別区が使える予算は6,600億円となります。

これは大阪府が2,000憶円の使い道を決定することにあります。 

大阪市に住んでいるのに、大阪市が予算の使い方を決められないといったおかしなことが起きるのです。 

まとめ 

大阪は長年大阪府と大阪市の意見のぶつかり合いが、物事をこじらせてきたのは事実です。効率の悪い政治を行うことで、無駄に税金を使ってきたのです。 

しかし大阪都構想にすることで東京の様に特別区を作っても、必ずしも二重行政など大阪の問題点を解決できるとはかぎらないのです。