大阪都構想による住所変更。手間や費用はかかる? 住所表記はどうなる?メリットやデメリットは?

2020.09.30
  • 大阪都構想が可決されても住所変更に手間や費用は企業を除きかからない
  • 大阪都構想可決後の住所表記は統一ルールを作成し令和4年春に案を発表
  • メリットは「特に何もしなくてよい点」デメリットは「コスト」と「増税」
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大阪都構想による住所表記や住所変更、メリットデメリットをやさしく解説 

大阪都構想をうけて住所が変わったとしても、日々の暮らしに急激に影響を受けることはないでしょう。 

しかし、住所を変更することによるメリットやデメリットは少なからず存在します。

この記事では、大阪都構想による住所変更の手間や費用、住所表記はどうなるのかを解説し、メリットやデメリットを含めてお伝えします。

この記事を見終えた頃は、大阪都構想で住所変更が加えられる箇所や制度についてマスターできることでしょう。 

都構想が可決されたら住所表記はどうなる 

住所の表記はほとんど変わらない 

大阪市廃止分割構想、いわゆる都構想が可決されると、それまでの1つの地方都市だった大阪市が解体され分割されます。

大阪市は現在、24の区から形成しておりますが、都構想が可決されると、4つの特別区に統合されます。

新しい4つの特別区として「淀川区」「北区」「天王寺区」「中央区」に分割されます。各区とも60万人から75万人程度の人口分布となります。 

新しい住所表記は「特別区の名前+現在の区名+町名」 

たとえば此花区民の場合「淀川区」に分類されているので、新しい表記は「淀川区此花+町名」となります。

淀川区、中央区、北区、天王寺区の表記は「淀川区+町名」「中央区+町名」「北区+町名」「天王寺区+町名」となり、特別区と旧区域と重複して使用はしません。

旧区域と町名が連続して並んでしまう場合も省略されます。

たとえば「中央区住之江区住之江」といった表記にはならず「中央区住之江」となります。 

また、「北区東成深江南」になる東成区深江南のように三つの方角が含まれる非常にわかりにくい表記も生じます。

大阪都構想が実現したら、いきなり住所は変更されるのか 

新住所への変更は11月の住民投票が終わってから議論する 

大阪都構想が可決されたらすぐに住所がかわるわけではありません。 

今回の住民投票は「大阪都構想をするかしないか」を住民投票で決めるため、具体的な変更にかかわる決定は住民投票が終わったのちにすすめる流れになります。 

大阪都構想で新住所への変更はいつからはじまるとされているのか 

令和4年春までに新住所をどう表記するかを決定する 

大阪府と大阪市では、もし大阪都構想が可決された場合、新住所表記をどのようにするか令和4年春までに案を決定するとしております。 

まずは大阪府市が令和3年春ごろに新住所の素案を決定し、その後住民や市議会の意見を伺いながら令和4年に新住所案を決める流れになります。 

住所変更する際の手間や費用はかかるのか 

役所が行うため住民にとっては手間や費用はかからない 

住所変更にかかる手続きは、すべて行政機関ですべて行われるため、住民が住所変更を個別に実施したりする必要はありません

行政機関が必要な手続きはすべて実施しますが、この為の費用に多額の税金が投入されます。

住所変更が必要な場合の対応は今まで通り 

住所変更が必要な場合は、これまで通り役所にいって変更の手続きを済ませれば従来通りに手続きができます

住所が変わることで費用を負担する必要もありません。

しかし、役所以外への届け出や名刺などの変更などの費用は当然のことながら市民それぞれの負担になります。

旧住所で郵便サービスや身分証明書は使えるのか 

郵便物や郵便番号は旧住所でも対応可能 

都構想で住所変更がされた場合、旧住所で郵便物の取り扱いがどうなるか解説します。

結論としては、旧住所で郵便などをやり取りしても届くような仕組みをきちんと設けます

しかし、この制度も長くは続けられないので早めに新住所を知っておくことが望ましいです。 

身分証明書も更新までは使用可能 

身分証明書は、更新するタイミングで旧住所から新住所へ表記を変更するため、制度的に考えると住所変更をしなくてもそのまま身分証明として活用できるといえます。 

住所変更によるメリットはあるのか 

特にありません。

住所変更にあたる手続きは、多額の税金は投入しなければいけませんが行政機関が実施します。するため、住民一人一人に負担や費用は現時点ではかからないといえるでしょう。 もちろん、行政への届け出以外に職場などへの届け出や様々な届け出は自分自身でやらなければなりません。

この点は市町村合併の際も同じですが、基本的に住所が変わることで日々の暮らしに直接影響を受けることはまずありません。 

住所変更によりデメリットはあるのか 

大阪市内の企業はデメリットをもろに受ける   

大阪市民には直接影響がないとされる住所変更ですが、大阪市内の約19万あるとされる事業を営む企業はもろに影響を受けます。 

大阪市内の企業は大阪都構想の住所表記が変更されるタイミングに伴い、住所の表記変更を余儀なくされます。

住所変更でともなう諸経費はすべて企業側で負担する必要があります。

その結果、企業としてはデメリットをもろに受けてしまう形になるでしょう。

たとえば、名刺の作成や企業封筒の宛先を変更することでコストが生じます。顧客名簿にも新住所を反映した顧客名簿を作らねばならず、こうした手続きにかかるコストに行政は補助をしない見通しなので、企業にとっては大きな痛手となるでしょう。 

住所変更そのものが「コスト」というデメリット 

そもそも行政機関がいっせいに住所変更も含めた「大阪市の解体手続き」を行うため、行政上も非常に大きなコストをかけることになります。 

大阪都構想に必要な初期投資費用額は最大で561億円、年間運用コストも45億円程度必要になるといわれています。

こうした運用上のコストがかかること自体デメリットであるといえるでしょう。 このことによって市民サービスの維持が困難になることが予想されます。

表には決して出せない住所変更をおこなう真のデメリットとは 

都構想の運営維持コストの財源は住民の税金 

運用コストの財源は、どこから生まれるのでしょうか。

大阪都構想を推進している「大阪維新の会」は、大阪府や大阪市が所有している公共物を民営化することで得られる利益や、民営化によって削減できたコストを都構想の運営維持に充てると主張しております。

しかし、ムダなコストを削減し尽くした後はどうなるのでしょうか。

都構想を毎年維持するために、住民一人一人の税金をたくさん徴収しないといけないとなったら、これは増税するしかありません。 

もし増税による負担を強いられても住民に拒否はできない 

もし増税をすることになっても各住民はその要請に対して拒否することはできないでしょう。

なぜなら、大阪都構想は一度可決されたら二度と元には戻すことができない制度だからです。大阪都構想を後々廃止して元に戻すことができる制度は現在ありません

つまり、いくら悪い制度だと都構想がはじまってから文句を言っても、後戻りすることはできないのです。 

住民は大阪都構想がどのような状況でも、制度そのものを維持するために、付き合っていかなければなりません。

大阪都構想を今後も維持するために、住民一人一人の税金をあげてもらうと言われてしまったら、住民はその要請に応えていかねばならないのです。 

大阪都構想による住所表記と住所変更の手間と費用まとめ 

住所表記にはルールがある 

住所変更は「新しい行政区名+現在の区名+町名」の表記になるとしています。

ただし、同じ行政区名になっている箇所や連続した名前が続くと省略される例外規定もあります。 

住所変更はすぐには行われない 

大阪都構想が可決されても、住所変更はすぐには行われません。 

令和3年にいったん新住所の素案がまとめられ、令和4年春に新住所の表記案をもとにへんこうされていく見通しです。 

企業は大阪都構想で手間や負担をもろに受ける 

企業は新住所変更に伴い、経営上必要な住所の変更や手続きを行うため、コストが発生するとされています。

しかも行政からの補助がないため、コスト増になると企業側の手間と負担が重くのしかかるといえます。 

大阪都構想で住所変更を行う場合のメリットとデメリットまとめ 

「手間いらず」と「費用いらず」住民にとってのメリット 

住所変更が実際に起こっても手間と費用が直接的にはかからない点に関してはメリットといえるでしょう。 

旧住所のままでも郵便サービスや身分証明の効果などは変わらないとされているので、この点はメリットといえるかもしれません。

住所変更そのものでかかるコストがデメリット 

大阪都構想を実行するうえで必要な初期投資費用は561億円必要であると言われています。もちろん住所変更をするためだけに使われるわけではありません。

しかし大阪都構想にかかる費用そのものがすでにデメリットであるともいえるでしょう。 

真のデメリットは「大阪都構想」を常に維持し続けないといけない点 

大阪都構想は一度可決されると元に戻すことができません

そのため、 大阪都構想を続けるために多額の税金を投入せざるを得なくなった場合、住民一人一人が多くの税金を納めることを強制され、結果として生活にも大きな影響を及ぼすことになるでしょう。 

記事全体のまとめで一言 

大阪都構想による住所変更や表記についての説明とメリットやデメリットを解説しました。

大阪都構想による政策にある程度共通する点があります。 

それは「制度が変わること自体に特段の意味はない」ことです。

たとえば今回の住所が変更されたことで何か大きな影響を及ぼすかと言われると、特に大きな影響を及ぼすことはありません。大切なことは、こうした政策の裏で「何を目的としているのか」をきちんと捉えることが大切です。 

さらに、政策を続けた先に「私たちにどういった利害が考えられるのか」をしっかりと踏まえることも必要です。

大阪都構想だけでなく、見せかけのパフォーマンスやイメージで語られている政策や議論を信じ込み、私たちのこれから先の重要な未来に向かっての決断を、安易に決めない知識と判断ができる有権者になっていただきたいと願います。