大阪都構想の真の狙いとは?そもそもの目的は?知っておくべきデメリットと真実について。

2020.10.12
  • 都構想での変わることにはよく知られていることと、あまり知られていないことがある
  • その変更は本当に必要なのか、なぜあまり知られていないことがあるのか
  • 変更点で見えてくる都構想の本当の狙い
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今年の11月1日に住民投票が行われ、可否が問われる大阪都構想は現在あらゆるメディアでメリットやデメリットが説明されていますが、実はよく知られていない変更点も多いです。

またなぜ変わらなくてはいけないのか、なぜよく知られていないのでしょうか。

そして徐々にそこに隠された都構想の真の狙いも浮かび上がってきます

一体、都構想とは何を目指すものなのでしょうか。

都構想の本当の狙いや目的について、ご紹介いたします。

都構想で変わること

大阪都構想が実現されると今までと比べて変更される点が多くあります。

そのうちの代表的な点をいくつか紹介します。

都構想の良い点

まずひとつに住民サービスが向上されるという点です。都構想が実現されれば、大阪市は解体され、各区は4つの新たな区へまとめられます。

そしてその4区は特別区として、区域に関する行政を行います。

広域業務に関しては大阪府へ任せることとなるので、各区は地域や住民へのサービスや声に力を入れることができるようになります。

次に財政の効率化や波及効果による経済効果が望めること都構想により今までの府と市による二重行政は解消され、無駄な歳出を抑えることができると都構想推進派は積極的にアピールします。

また都構想による産業等への波及効果も見積もられており、経済効果が予測されています。

都構想の悪い点

しかしその一方で今まで築き上げてきたコミュニティが壊されてしまうのではないかという危惧の声も上がっています。

現在の大阪市政下の行政区は全部で24区存在し、それが一気に4区へまとめられてしまうとなると、どうしても影響が出てきてしまうこととなり、特にコミュニティへの影響が懸念されています。

さらに大阪市を無くすということは政令指定都市を捨てるということとなり、それまで政令指定都市として得てきた特権を捨てることになるのではないかという声も上がっています。

あまり知られていない変更点もある

一方で都構想にはあまりメディア等でも取り上げられず、見逃しがちな変更点もあります。

そのうちの主な3つの点を挙げてみます。

区長公選制

まずひとつに、現在の行政区では各区長は大阪市により選出されますが、都構想により特別区へとなった場合、区長は公選制となります。

公選制とは区民自らが投票して区長を決めるとことで、現在の東京23区は公選制です。

今までの大阪市が各行政区の区長を選出するという仕組みは、行政の一貫性を保つためでした。

しかし都構想では広域業務以外の行政は各区に任せるため一貫性を保つ必要はなく、住民自ら区長を選ぶ公選制を採用することになります。

スムーズな行政

今まで大阪は府と市による二人三脚で行政を行っていかなくてはいけなかったため、もし足並みが揃わなければまったく前に進むことができなくなってしまう、といった状況もたびたび生まれていました。

しかし都構想が実現すると大阪市が無くなるために二人三脚は解消され、一人で走ることができるようになります。

その一方で、二重行政が解消されていると松井市長が語るなど、二人三脚の状態でもうまくいっています。大阪都構想をしなければ成し遂げられないものではないため、もう二度と大阪市に戻せない現実を考えると、リスクとリターンに釣り合いがあるとは言い難いです。

民営化的側面

都構想では民営化も進めています。

それは主に行政と財政の効率化のためとされています。

大阪府は都構想を契機に民間でできることは民間に任せ、その分の財源を有効活用しようという考えです。

しかし都構想の影に隠れた民営化には懸念を示す声も多く、十分に議論せず、なし崩し的に民営化が行われれば、過度な競争を生むだけではないのかとの声も上がっています。

なぜその変更が必要?

自分たちでトップを決めると変わること

区長公選制では地域に根ざした行政を行うにあたって、住民自らが選んだ人物をトップとすることで納得と、ニーズに即した人選を行うことができるという説明がされています。

もちろん特別区は東京都でも採用されているように、区長公選制が当然のように思えます。

区民自らがトップを決めるという行為は政治に考える時間が増えることとなり、結果に責任を持つということにもなります。

そしてその結果はそのまま自分たちの生活に直結することになるため、真剣に考えることとなります。

つまり住民の政治意識が高まるという利点もあるのです。

ねじれを無くす

行政が一本化すれば、今まで以上に改革はスムーズかつ迅速に行うことができます。

都構想が実現いた後は細かな行政は各特別区に任せ、府は大阪府全体を俯瞰した政策を打ち出すことが中心となっていくでしょう。

そして民営化の推進で、行政が負担し財政を圧迫していた部分を民間に任せることにより、より効率的な財源の利用をすることのできるようになるのです。

ただし元々24区にあった保健所を1つにまとめ、その後特別区に1つずつ再び設置するのは、ある種の遠回りであり長い目で見た政策とは言えません。

二重行政のムダとして市民病院の廃止や研究所、大学の統合も行われましたが、本当にやる意味があったのかどうか、その検証がなされていないのも気になる点です。

なぜあまり知られていないのか?

伝わりにくいことは言わない

こうした事実はあまり説明されず、メディアなどでも取り上げられることは少ないです。

なぜなのでしょうか?

こうした内容は行政や政治的な変更であるため、住民へ説明したところで得票率に繋がりにくいと考えられます。

そのため都構想を実現しようと思ったらやはり有権者である住民の支持を得ることが先決になります。

その結果、住民への利点が多く語られ、政治的な面や本質はあまり知られることはなく、見逃されがちです。

コロナの影響もあり、住民説明会の規模や回数は前回の住民投票よりもかなり減らされています。伝わりにくいことは言わない以前に、少しでも伝えようとする努力はしたのかどうか、そこを大阪市民はしっかり確認する必要がありそうです。

地方分権への実験

自分のことは自分でやるために

大阪都構想を党是とする大阪維新の会は、その他に党の方針として首相公選制や道州制など地方分権を支持するような方針を多く表明しています。

これは党を作った橋下徹元大阪府知事らの考え方が多く反映していると思われますが、大阪都構想自体にもそうした考え方が多く反映されていると言えるでしょう。

例えば大阪市を廃止して大阪府へ一度権限と財源を集めることは、地方の分裂を抑え、地方が地方のことを決定できる環境を作るための準備ということもできます。

都構想の可否に住民投票を実施することや、特別区の区長を公選制にすることは、大阪の人々が大阪のことは自分たちで決めるという意識を醸成することへと繋がります。

とはいえ、大阪都構想が2回目の住民投票にこぎ着けるまでの議論は、反対意見をシャットアウトするようなものばかりだったことは報道でも明らかです。

一見すると耳障りのいい言葉でも、その裏側ではどうだったのか、そこまでチェックを行うとより深く、大阪都構想とは何かを理解できるかもしれません。

日本の副首都へ

東西の両極

大阪都構想が説明される際によく引き合いに出されるのが、東京都です。

東京都は大阪都構想が目指す理想形とされており、強く意識している様子が伺えます。

よく大阪都構想の説明をする際に「大阪を日本の副首都に」と表現されることがあります。

「大阪を日本の副首都に」とはどういうことでしょうか?

もちろん現在の法律では副首都という立ち位置はありません。

おそらく東京と並ぶほどの影響力を持つ都市となるという意味合いになるでしょう。

2大都市として日本を牽引し、国政や世界にも影響力を発信する都市となる。

そしてそのモデルは他でもなく東京であり、そうした都市にふさわしく、東京も採用している特別区制度をまず実現する。

そうした狙いがあるのだと思われます。

国政への波及狙い

国を変える意思

大阪維新の会は2010年に都構想を実現することを党是に結党しました。

その後大阪では絶大な支持をほこり、それまで与党であった自民党、公明党は野党となり、未だにその支持と人気は衰えません。

さらに2015年にはその新たな波を国政へと反映すべく、大阪維新の会を母体とする日本維新の会が国政政党として誕生します。

日本維新の会の結党は大阪維新の会の政治理念を国政へと波及させるべく組織されました。

今回の大阪都構想は地方から変革を起こし、最終的には国政へも影響を与えようという強い意志に基づいたものではないかと言われています。

吉村知事がワイドショーなどにたくさん出たこともあり、維新の会の支持率は全国的に高まりましたが、今は落ち着きを見せています。

いがみ合ってきた歴史に終止符を

次のステップへ

大阪はこれまで幾度となくいがみあってきました。

大阪府と大阪市の連携が図られてこなかったのがすべてですが、現状は連携が図られるようになり、松井市長が二重行政は解消していると発言するに至ります。

そうなってくると、大阪都構想は必要ないのではないかという声が強まるのは当然です。

新たな焦点として大阪府に権限を集めて、インフラ整備などを一気に進めたい、そのための大阪都構想という焦点が生まれます。

これもまた大阪府と大阪市の連携で成り立つため、どうしても大阪都構想で成立させなければならない話でもありません。

都構想推進派は何かとバラ色な未来を提示しますが、本当にバラ色なのか、慎重に吟味をする必要があります。

まとめ

今回は大阪都構想の裏に存在する本当の狙いについて解説していきました。

いずれにしろ11月1日は大阪府、大阪市にとって運命を左右する判断が下される日となります。

どっちに転んだとしても大変な道のりになるかと思いますが、記事の内容が都構想を理解するための一助となることができたら幸いです。