大阪都構想はデメリットだらけ?2020年に実施される2回目の住民投票。特別区制度で損する?

2020.09.27
  • ・大阪都構想によるメリット・デメリットはどちらも有る
    ・大阪市の税金が大阪市内外に流れる見込みもある
    ・2020年11月の住民投票がどうなるのか期待
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2020年に2度目の住民投票が行われることになった大阪都構想。 

大阪が抱える様々な問題を解決するために行われる大阪都構想ですが、今日に至るまで目的や制度の内容も少しづつ変化しており、どういった内容なのか理解している人は多くはありません。 

大阪都構想はデメリットだらけだという意見もあり、メディアによって話されている内容も違うので、一体どの意見を信じればいいのだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。 

そこで今回は本当に大阪都構想がデメリットだらけなのか、特別区制度によって損をするのかなどを中心に大阪都構想について詳しく解説していきます。 

そもそも大阪都構想とは 

そもそも大阪都構想とはどういった内容なのでしょうか。

政治家やコメンテーターが大阪都構想の是非を語っているのはよく耳にしますが、具体的な目的や内容をきちんと理解している人はあまりおりません。 

そこで大阪都構想についてまずは知っておきましょう。 

大阪都構想の目的 

現在大阪に住んでいる人にはなじみ深いかもしれませんが、大阪には2つの自治体が存在しています。 

大阪府と大阪市です。 

大阪は関西の経済の中心でもあり、周囲の府県と比較しても人口は莫大な人数がいます。

また大阪市自体が政令指定都市であることも加えて、日本という国から一定の権限とお金を動かすことを認められているのも特徴です。 

そのため大阪府と大阪市では昔からライバル意識が強く、府と市の争いなどが起きるなどあまり良い状況ではありませんでした。 

このままでいいのか?と大阪維新の会を中心に提唱されたのが大阪都構想なのです。 

二重行政を解消する大阪都構想 

大阪都構想は二重行政を解消し、スムーズな行政運営を可能にすると都構想推進派は推しています。

推進派曰く、大阪都構想を実現すると以下の2点が大きく変化すると主張します。 

  • 都となることで、大阪市を廃止し新しく4つの特別区を作る 
  • 政令指定都市だった大阪市の権限と予算を大阪府に一本化 

大まかにいうとこの2点が大阪都構想の肝となります。 

大阪都構想のメリット

大阪都構想は、大阪市を廃止し新しく4つの特別区を作ることで大阪市の権限や予算を一本化することを可能にするというものでした。 

ではこういった目的を達成することで得られるメリットなどはあるのでしょうか。 

行政の一本化による地域密着サービスの提供?

大阪府と大阪市がそれぞれで行政サービスを行っていることもあり、市立病院の近くに府立病院があるという、本来必要なのに、人によっては無駄に感じる状況が見られます。

都構想では、都市計画の整備や大阪の産業振興など大阪府全体に渡るような行政の業務を大阪府が行い、介護、福祉や教育関係などの住民の生活に直接関わってくる業務を新しくできる特別区が担当すると、大阪都構想推進派はアピールします。

ただし、特別区が設置されることで24の区にあった区の施設が縮小、削減される可能性があるなど、今までの行政サービスより悪化する可能性も否定できません。 

二重行政の解消でコスト削減が可能? 

大阪都構想によって、二重行政が解消されることで無駄なコストを削減することができるというメリットがあると、大阪維新の会などは主張します。

しかし、都構想が成立した場合にどのような経済効果があるのか試算が行われ、二重行政の解消効果は数十億円と少ないものでした。

既に大阪府と大阪市でそれぞれに設置していた公的機関を「二重行政のムダ」として民営化させるケースが出ています。

大阪維新の会などがやり玉に挙げてきた部分なので、二重行政の解消が都構想で実現するといっても、その効果は薄いと言わざるを得ません。

大阪中心の事業計画を策定しやすくなる? 

都構想推進派は、大阪府を中心とした事業計画の策定がしやすくなることをアピールして支持拡大を狙っています。

意思決定が速くなり、スピーディーにインフラ整備が進むことをメリットに挙げますが、現状のシステムでも十分可能ではないかという指摘が出ています。

今後の大阪をどうするべきか、それこそ市民や政治家を巻き込んで語るべき話であり、都構想が成立しなければ実現しない話ではありません。 

大阪都構想のデメリット 

推進派が考える、大阪都構想によって得られるメリットについて紹介してきました。

もっとも大阪都構想という大きな政治の動きはメリットが得られるというだけでは終わりません。 

もちろんですがデメリットも存在しているので、以下ではデメリットについて詳しく解説していきます。 

大阪市は廃止、新しい特別区 

都構想の一番の変化として、大阪市が廃止される点があります。 

大阪市という自治体が無くなり、新たな特別区ができるのです。

当たり前であった大阪市というものがなくなってしまうというのは、変化を嫌う人にとって大きなデメリットといえるでしょう。 

大阪府廃止によって住所表記が変更→特別区へ 

大阪府が廃止されることによって、住所表記が変更になります。 

新しい自治体の名前である特別区の表記へと変更になるので、住民の人達や行政機関の混乱が予想されることは否定できません。 

また慣れ親しんだ住所に愛着があるという人にとっては抵抗感を与える話なので、大きなデメリットなのではないでしょうか。 

新たなコストの発生 

大阪市が廃止となり、特別区が創設されることで新しく設置しなければいけないコンピューターシステムや庁舎などが必要になります。 

また特別区で新しく人が必要となるので、役所に必要な人員の補充などの人件費もかさむといわれており、コストが以前よりもかかるようになることを避けることはできないでしょう。 

大阪市には戻せない 

大阪市を廃止し特別区を設置する都構想では、従来の大阪市が新たな枠組みとなります。 

現在の法制度では大阪市という元の枠組みに戻すことはできません。 

そのため新しい枠組みに変更してから、何か致命的な問題があった場合には後戻りができないというのは大きなリスクです。 

大阪都構想を進めていきたいワケ 

大阪都構想はメリットとデメリットの2つが存在していることは紹介してきました。 

そこまでしてなぜ大阪都構想を進めていきたいのでしょうか。

そこには「大阪府は貧乏・大阪市はお金持ち」といった複雑な背景があるのです。 

大阪市は貧乏・大阪府はお金持ちとは? 

大阪市は経済の中心であり関西地区の人が集結するところです。そのため大阪市においては、税収も安定しており1500億円近くの黒字になっています。 

一方で大阪府全体となると、大阪市だけではなく様々な自治体が存在しており、大阪市のように多くの人が集結するところばかりではないでしょう。 

そのため大阪府全体でみると、2400億円近くの赤字となっています。 

大阪都構想の背景 

こういった背景をもとに、大阪府に大阪市を統合し予算や権限を一元化したいという狙いがあるのです。 

  • 大阪市単体は黒字でお金持ち 
  • 大阪府全体でみると赤字 
  • 都構想で統一することで大阪市の税金を利用できる土台を作る 

このような背景はあまり住民には関係ないように思えますが、直接支払った税金がどのように使われるかというのかは大阪に住んでいる住民にとっては大きな関心になります。 

大阪都構想という言葉に踊らされず、制度の背景まで理解して賛成か反対かを決めることができる前提知識を身につけておきましょう。 

特別区で損をする?特別区という制度の仕組み 

大阪都構想によって損をするという事を聞いたことはないでしょうか。 

これは上記で紹介した大阪都構想の背景についても関係してきます。 

というのも大阪都構想によって大阪市の税収や権限が一元化されるということは今までの解説でも紹介してきました。 

そのため大阪市民の心配としては「大阪都構想によって今まで支払っていた税金が他の地区へ流されてしまい損をするのではないか」というものがあります。 

2000億円の予算が大阪市外に流れ出す!? 

大阪市の税収が一本化されることによって、大阪都という大きな枠組みに大阪は変化します。 

そのため以前は大阪市で使われた税金というのが、大阪市ではない地域まで使われるという結果になるのです。 

現在大阪府では税収による財源が9000億円あるといわれています。

その内そのお金は大阪市内のみに使われていますが、今後大阪都になり特別区を新しく立ち上げた場合に、7000億円しか旧大阪市内の地区に使われないという見込みになっているのです。 

2000億円近くが大阪市ではない大阪府全体に使われるということは、住民にとっては我慢できないことでしょう。

自分が支払った税金が大阪市内とは関係ないところに使われているのは損というほかありません。 

そのため大阪都構想によって特別区が設置されると、損をするという意見があるのは間違っていない現実になります。 

2015年大阪都構想 第一回住民選挙の結果 

前回2015年に第一回住民選挙が行われました。 

その際には以下のような結果に終わっています。 

  • 賛成69万4844票 
  • 反対70万5585票 

前回の選挙では都構想に失敗した場合、橋下さんの引退というトピックもあったため信任投票という側面もありました。 

賛成・反対が1万票という僅差であったため、2回目の選挙でどうなるか注目を浴びています。 

2020年大阪都構想 第二回住民投票の展望 

2020年11月1日に大阪都構想の第二回住民投票が行われます。 

前回とは違い、大阪都構想を進める維新の会所属の知事・市長が現存中であり大阪都構想が賛成にされるのではないかという下地ができているといった状況です。 

住民投票による都構想がどうなるか、今後の動きに注目していきましょう。 

まとめ

今回は大阪都構想に関して解説してきました。 

  • 大阪都構想によるメリット・デメリットはどちらも有る
  • 大阪市の税金が大阪市内外に流れる見込みもある 
  • 2020年11月の住民投票がどうなるのか期待 

今後大阪がどうなるのかという大きな節目になるのが「大阪都構想」という構想です。 

制度の中身や背景をしっかりと認識して、賛成・反対という立場をとることが重要になってきます。

大阪住民の生活に大きく関係してくるであろう大阪都構想について今後もより注目していきましょう。