[大阪都構想]選挙と住民投票の違いとは?大阪都構想の住民投票2020はいつ?過去の投票結果は?

2020.09.27
  • 大阪都構想案の住民投票は2020年11月1日に投開票される
  • 住民投票は直接市民の実生活に影響を及ぼすので選挙とは違う結果になる可能性もある
  • 前回の大阪都構想案の住民投票では、予想に反して反対がわずかに上回った
この記事は13分で読めます

大阪都構想案は法定協議会に続いて大阪府議会、大阪市議会でも可決成立して、11月1日に住民投票がおこなわれることになりました。この場合の住民投票は通常の地方選挙とどう違うのでしょうか。 

また、大阪都構想の住民投票は2015年5月にもおこなわれていますが、その結果はどうだったのでしょうか。また、住民投票は今回と前回で何が違うのでしょう。 

これらの疑問について解説します。

大阪都構想における住民投票と選挙の違いとは 

大阪都構想案の住民投票は11月1日におこなわれますが、この投票は地方選挙とどう違うのか知らない方もいます。 

地方選挙や各市や都道府県の首長選挙は、地方自治法に基づいて議員や首長を選ぶための選挙投票です。

しかし、大阪都構想案の住民投票は、大都市地域特別区設置法に基づいておこなわれる、大阪市民にとっては実生活に直接影響をする投票になります。 

都構想の住民投票には法的拘束力がある 

通常、地方選挙や首長選挙では一番得票の多い人あるいは得票が上位の人が選ばれますが、大阪都構想案の住民投票は賛成か反対かの住民の意思を確認するものです。 

大阪都構想案の住民投票では、法的拘束力があります。このため、どれだけ大阪維新の会が府議会や市議会で議席を握り、大阪府と大阪市のトップであったとしても、その結果に従わなければなりません。

大阪の選挙ではタレントなどの知名度が優先されるが

大阪都構想案の住民投票は、通常の大阪の地方選挙と結果が違ってくる可能性があります。 

大阪の選挙の場合には、横山ノック氏、平松邦夫氏が首長選挙で当選していますし、国政選挙でも西川きよし氏が長く参議院議員をしていたように、比較的人気投票になりがちなところがあり、投票率も低い傾向にあります。 

しかし、前回の大阪都構想案の住民投票では橋下徹氏の人気にもかかわらず、反対が上回っており、投票率も通常の地方選挙が58%前後なのに対して66%と高くなっていました。 

すなわち、大阪では、自分自身に直接関係のある投票の場合には、人気よりも実質的な影響を考慮する傾向にあるといえるのです。 

大阪都構想案が成立 スケジュールは? 

大阪都構想案が法定協議会、府議会、市議会の賛成多数で成立した結果、実施に向けたスケジュールが決まりました。 

・住民投票  2020年11月1日 

・大阪市の廃止と特別区への移行 2025年1月1日 

となっています。 

ただし、このスケジュールにはまだ変動要素がありますので、その変動要素を見ておきます。 

住民投票のスケジュールの変動要素 

住民投票は10月12日に告示がおこなわれ、11月1日に投開票が実施されます。

しかし、このスケジュールには変動する要素が存在しています。 

1つは、新型コロナウイルスの影響です。現在のところは、7月末に第2波のピークが終わり、感染状況は落ち着きつつあります。

しかし、今後、気温の急低下などやインフルエンザの流行などが生じれば、新型コロナウイルスも再拡大する可能性があります。 

再び感染が急増する事態になれば、当然3密だけでなく、集会の規制などが生じますし、人の集まる投票所へいくことが難しくなることも考えられます。

したがって、そのような状況になれば、住民投票そのものが延期される可能性があります。 

国政選挙が影響を与える可能性は消えた

また、菅内閣が発足しており、その臨時国会は10月23日にスタート予定になっています。 

住民投票にはコストがかかるため、総選挙などがあれば、一緒にやることがコスト削減になるだけに、解散があった場合には、総選挙に日程を合わせる可能性があるのです。

菅内閣発足後、高い支持率を背景にすぐに解散をするのではないかという声もあったため、住民投票との同日選挙を期待する声が大阪維新の会を中心に上がりました。

ただ、菅内閣はコロナ対策や経済対策を最優先とし、冒頭での解散を回避します。このため、国政選挙に合わせる可能性は消滅した形です。

特別区への移行スケジュールの変動要素 

住民投票で賛成が過半数を越えた場合には、大阪都構想案は実施に移され、202511に大阪市は廃止され、4つの特別区に移行することになっています。 

しかし、今回の大阪都構想案では、大阪市周辺市の特別区への組み込みは提案されておらず、希望すれば特別区への移行も可能となっています。

そのため、実施段階で周辺市から特別区への組み込み希望が出てきて、その調整が必要になる可能性があります。 

その調整が長引いて、2025年の冒頭に間に合わない可能性があり、その場合には移行が後にずれる可能性があります。 

また、大阪市の廃止と特別区への移行のためには、コンピューターシステムの改修や区役所の庁舎の改修などが必要になります。 

とくに国でデジタル庁ができ、行政全体のシステム組み直しが生じたりした場合には、システム改修が遅れる可能性があり、窓口業務にも影響を与える可能性があります。その場合にも、移行が後ろに遅れる可能性があるでしょう。 

過去の大阪都構想案の住民投票の結果は? 

大阪都構想案による住民投票は、2015年5月17日に続いて2回目になります。前回の大阪都構想案の住民投票の結果はどのようになったのでしょうか。

また、その結果、実施はどうなったのでしょう。 

前回の大阪都構想案の住民投票の結果 

前回の大阪都構想案の住民投票の結果はどうなったのかを見てみましょう。 

住民投票の投票結果は、 

反対 705,585票 50.38% 

賛成 694,844票  49.62% 

となっており、わずか0.8%という僅差で反対が上回っていました。

事前の世論調査などの下馬評では、賛成有利といわれていましたが、結果は逆転しています。 

住民投票で反対が多かった結果、大阪都構想案はどうなった? 

このように住民投票で反対が上回った結果、住民投票には法的拘束力はないものの当時の橋下代表をはじめとする大阪維新の会は大阪都構想案の実施を断念しています。 

事前に橋下氏は反対が上回れば、実施は断念することを表明しており、断念は仕方なかったのでしょう。 

大阪都構想案は断念したけれど 

橋下氏はその後、政界から身を引いていますが、大阪維新の会はその後も、大阪都構想案の実現に向けて活動しています。

それとともに、実際に財政の負担になっていた赤字の大阪地下鉄・バス事業を売却して民営化させるとともにそれ以外の不採算事業も積極的に売却して、財政建て直しをはかっているのです。 

そして、財政赤字の負担が少なくなったことから、大阪都構想案はコスト削減をさらに推進する点に絞って検討され、今回の2回目の住民投票に至っています。 

今回の大阪都構想案の住民投票で反対が多い場合にはどうなる? 

今回の大阪都構想案では、反対が多い場合には法的拘束力があるため、再び実現を断念することになります。ただし、三度目のチャレンジがあるかどうか、このあたりは大阪維新の会からは発言されていません。 

ただ、大阪維新の会の現代表である松井大阪市長は、再び反対多数となれば政界引退と報道されており、反対が多い場合には再び選挙の機会が生まれそうです。

前回は再び大阪府、大阪市それぞれの首長選で大阪維新の会が勝利をおさめ、2度目の住民投票につながっています。 

今回の住民投票における事前世論調査の動き

事前の世論調査では、コロナ禍における報道もあり、大阪府知事の吉村氏人気によって、世論調査で賛成の割合が多くなっていました。

しかし、告示日に迫るにつれ、反対派が巻き返しており、その差は一気に拮抗し前回の住民投票の時と似てきています。 

大阪都構想を問うのではなく、「大阪市廃止・特別区設置」に関する住民投票であるため、大阪市廃止という事実を突きつけられ、心境に変化が生じた大阪市民が一定数いるかもしれません。 

大阪都構想案の住民投票は選挙とは違う結果がでることも 

これまで見てきたように、大阪都構想案の住民投票は選挙とは全く違う結果が出る可能性もあります。 

前回の住民投票では、その前におこなわれた選挙では大阪維新の会が勝利しており、事前の世論調査だけでなく、雰囲気的にも賛成が多いだろうと言われていました。しかし、結果は反対が上回ったのです。 

確かに国政選挙、地方選挙における、大阪維新の会の選挙の強さは誰もが認めるところです。しかし、その人気が通用しないのが大阪都構想の住民投票と言えるでしょう。

行政サービスが低下する可能性の高い大阪都構想が必要かどうか、住民の皆さんが判断することになります。 

新型コロナウイルス対策が裏目に出れば吉村市長の人気低下とともに反対が増える可能性も 

新型コロナウイルスの感染は現状落ち着いていますが、再び急増し始めた時に、吉村知事に残された対策が少ないことを問題視される可能性があります。

事業者などの不満が高まっていることに加え、自宅待機が再び必要になる可能性があることで、これまでの吉村市長の人気が低下する可能性があります。 

コロナ患者が急増していた時期に、ワイドショーで盛んに出てきたことで評価を上げた吉村知事ですが、それが落ち着きをみせたことで人気そのものが落ちてきたとみる考え方もあります。

大阪都構想案の住民投票で考えておくべきこと 

大阪市民の皆さんの場合には、やはり今の大阪の行政サービスをとるか、将来の行政サービスをとるかの選択を迫られることになります。 

自分自身にとって、現在の行政サービスが便利であり、このままでいいというのであれば反対すべきですし、将来的にもっと行政サービスが便利に利用できるほうが良いというのであれば大阪都構想案に賛成すべきでしょう。 

住民投票は選挙と違って人気投票にはなりにくい 

今回の大阪都構想案における住民投票では、大阪市民の皆さんの実際の生活に直接影響が出ることになります。 

したがって、今回も大阪都構想案の住民投票は従来の選挙のように、候補者の人気投票になる可能性は低いといえるでしょう。 

推進の賛成派と反対派がそれぞれにいかに市民にアピールできるかになると思われます。 

大阪都構想案の住民投票は市民の意思表示 

今回も大阪都構想案の住民投票は、実際に生活している大阪の方々が、積極的に意思表示をすることが可能な機会になります。 

ぜひ、よく考えて投票するようにしてください。 

大阪都構想案の住民投票のまとめ 

大阪都構想案が成立して、いよいよ住民投票が2020年11月1日におこなわれます。こ

の住民投票は、よくおこなわれる地方選挙や首長選挙、国政選挙などとは違い、大阪市民の実生活に直接影響がある投票です。 

そのために、普段の選挙では人気投票的な傾向が強い大阪の選挙ですが、住民投票となると投票率も上がり、結果が違ってくる可能性もあります。 

実際に、前回の大阪都構想案の住民投票では予想を覆して反対がわずかですが上回り、実施は断念されています。