2020.10.31
都構想調査委員会

各家庭に今回の都構想住民投票の説明冊子が配布されましたが、バラ色の未来しか書いておらず、大阪市民が背負うデメリットとなりうる部分は完全に省かれています。

実際の今回案の内容はもっとはるかに分量の多い協定書にあるのですが、そこには重大な市民デメリットが掲載されています。

それは市有財産が巨額府へ移るという問題です。今回はそこを掘り下げたいと思います。

何兆円規模の市有資産が府へ移る、しかも無償で

特別区設置協定書には明確に財産配分が掲載されています。なぜこれを全戸配布しないのかと思います。大変重要な部分で、多くの市民が知っておかねばならない問題のはずです。

引用:(外部リンク)特別区設置協定書 別紙第2-4 より

大阪市の財産は合計11兆円あります。うち、特別区に残るのは7兆9719億円。
なんと、3兆5241億円もの巨額の資産が府へ委譲されます。

これらはすべて市民の税金で形作ってきたはずの財産のはずであり、市民は知っておく必要があります。あなたの資産が府へ移ろうとしているのです。

しかも無償でということは大変な問題ではないでしょうか?特別区の財源は極めて脆弱となるのに、資産まで3兆円以上対価も払われず奪われるのは特別区(=旧大阪市)側が不利すぎるのでは?

「債務も府が受け持つ」というのはデマです

この問題について、府に移る分について、「市債も府に移る」と反論するかたがおられますが、これも間違いです。

協定書では債務についてこのように配分されるとなっています。

引用:(外部リンク)特別区設置協定書 別紙第2-4 より

おや?地方債(すなわち大阪市債)を99.9%を府が請け負ってくれるというではないですか!2兆7836億円も!

…と勘違いしたあなたは騙されております。

この府に移管した大阪市債ですが、この償還(しょうかん:債務を返済すること)は大阪市から税収を集めて各特別区へ分配する「調整財源」によってケアするとされているのです。

このようになっておりまして、2兆7千億の市債は、府に受け継がれたと見せかけて実は特別区民が大阪市解体後も負担することになります。

府へ移る兆円規模の市有資産の対価を府は特別区に払うべきです

この何兆円もの市有資産は大阪市民が血税で作ったものであり、府へ移るのならば対価を特別区に払うべきです。ただでさえ脆弱な財源の特別区なのですし。

これに対し「市民は府民でもある」という詭弁を言うかたもおられますが、大阪市民は既に府民税を満額払っているのであり、なぜに大阪市民だけがこのようなことを強いられねばならないのでしょうか?

市債にしても、これは巨額の市有財産の財源ともなってきたはずです。
これでは「モノは取られてローンだけ払い続けさせられる」ようなものです。

不公平と言わざるを得ません。

その理屈なら、市民は府民でもあるのだから、府が市に対価払っても文句は無いはずですよね?

大阪市の選出の議員は人口比の関係で全体の3割ほどでしかありません。つまり、大阪市民(特別区住民)全員が反対しても、府へ移った市有資産をどうするかについて意見は通らないわけです。

これはこの市有資産を自らのお金で作った大阪市民には納得いく話でしょうか?

一気に対価を払うことが難しいというのならば、府債でケアし、毎年特別区に対価を払っていくようなやりかただってあったはずです。

それならば特別区の財政も相当マシなものになるでしょうが、今回問われる特別区設置案で、一方的に大阪市民が大損する構造となっています。またその行政からの説明もなく、隠蔽がなされています。

こんな不誠実な住民投票であっていいはずがありません。